木曜日を週末に変えてしまうと噂の”clubasia THURSDAY”のスピンオフ企画、〝clubasia THURSDAY SIDE-B〟が新たにスタート!!

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yunioshi

2025/06/19

いつも暗闇のように横たわっている問題がある。だれが聴いているのかという疑問だって。ちょっとでも自信をなくしたり、気持ちが音楽から離れてしまったりすると、その暗闇が襲ってくる。
—————- 中井紀夫 『山の上の交響楽』


今日、特にあのコロナ禍以降、ダンスミュージックの最前線がナイトクラブではないことは最早自明なのかもしれない。今やそれは郊外の分譲住宅のベッドルームかもしれないし、大学のサークル棟の一室かもしれないし、貧弱なBluetooth スピーカーを持ち寄った夜更けの河川敷かもしれない、もしかしたら実在すらしないVR上の仮想パーティ?ラップトップにDAWとサンプル音源、マイクなんてスマートフォンで十分、タイプビート、DJコントローラー、創作の上での金銭的なコストも技術的なハードルも今はかつてないほどに低い。誰だってなんだって出来るしいつでも始められる。終電で渋谷に向かい道玄坂を登ることにどれほどの価値が残されているだろうか?怖い人に絡まれそうだし、ナンパも鬱陶しいし、先輩と付き合うのも面倒だし、だったら同じ友だちと遊んでた方が楽しくない?

しかしそれでも少なくない人々が何かを求めて未だ毎夜クラブには集う。続くパーティに、鳴り止むことのない大音量の音楽に求めるものは人それぞれだ。豪華で華やかな、あるいは暗く怪しげなダンスフロアは日々生きている中では経験し得ない〝非日常〟が溢れている。そこで束の間人々は抑圧された自己を解放したり、仮面を被り自ら理想とするペルソナ演じることに酔い、刺激的な何かが始まるのを期待しながら身体を揺らし、すれ違っただけの人と語らい、そしてやがてパーティが終われば朝陽とともに家路に向かう。生活は続いていく。

一方でベニューのスタッフにとってはその非日常こそが日常である。多くの人々にとっての遊びの場を仕事に選んだ理由は様々だ。clubasiaは数え切れない人々の顔と向かい合いながら、誰かにとって奇跡のような瞬間の傍で、淡々とルーティンワークをこなしていく。これを読んでいるあなたが明け方電車に揺られている頃、スタッフ達は灰皿を片付け、酔いつぶれて寝ている人を起こす。床にこびりついたガムを剥がそうと躍起になっていることもあるかもしれない(もちろんその時口からこぼれる悪態をここに書くことはできない)。

そんな日常の中で彼らは常に耳を澄ませている、変化していく流行、新たに現れるジャンル、そして何よりDJのプレイとそれに呼応するクラウドのリアクションに。目まぐるしく移り変わる日々のパーティの中でクラブスタッフは何を感じているのだろうか?そしてもしそれをアウトプットする機会があるなら何が生まれるのだろう?

今回新たに平日木曜にスタートする不定期シリーズ〝SIDE-B〟はそんなスタッフたちが中心になってプレイヤーを務める試みだ。日々のパーティで出会った「ちょっと気になる」人たちを招き、ヒップホップ、レゲエ、ハウス、テクノ、それぞれの得意分野を持ち寄り、パーティのオルタナティブな形を探りながら一晩を創り上げる。異なる視点で捉え直すパーティの裏側。普段のパーティでは見ることのできない新たな一面、clubasiaのまさしくB面、〝SIDE-B〟である。


いつものダンスフロアにちょっとだけ物足りなさを感じちゃってる人たち、たまには全然違うジャンルにも触れてみたいかもって考えてるそこのあなた、もしかしたら新しい出会いがここにはあるかも?答えはいつも音に身を任せて踊った先に。

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