「一生懸命やるだけ」¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$U Interview

text:

NordOst

photo:

Toshimura

2025/04/12

普段クラブに行ったり、電子音楽やダンス・ミュージックを聴いたりするあなたが、たとえば今Instagramの発見タブを開くとする。そうすると、間違いなくトップページに顔を出す日本人DJがいるはず。それこそ、今や日本を代表するDJの一人として全世界から求められる存在、¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$Uその人だ。

¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$U/行松陽介という存在に歴史あり。しかしながら長年のキャリアのなかで、ここclubasiaとの縁が生まれたのは意外にもすべてが一変したコロナ禍以降のことのようだ。

国内、海外、小箱、大箱、宴席からフェスティバルまで、どんな環境においても変わらず「一生懸命やるだけ」と話す氏は、日本のことも世界のこともフラットに捉え、常に新鮮な驚きとともにフロアを抱きしめてくれる。

今回、そんな¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$Uは「clubasia 29th Anniversary -DAY.9- “Epoch”」に石野卓球氏とともにヘッドライナーとして出演。出番も差し迫るなか、asiaスタッフ・碧氏とともにNordOstがインタビューを敢行した。

Interview by 碧 & NordOst
Text / Edit by NordOst
Photo by Toshimura

──clubasiaも29周年を迎えますが、ここまで長年営業を続けているクラブも東京にはほとんど存在しないのでは? と思います。行松さんはasiaに初出演したときのことを覚えていますか?

¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$U:いやあ、正直あまり覚えていなくて。実はasiaとの縁が生まれたのはコロナ禍か、コロナが明けてからのことで、そんなに長い付き合いというわけではなく。ここ数年でお世話になることが増えたのかなと。

──コロナ前はあまり縁がある場所ではなかった、と。

¥UK1MAT$U:そうですね、たぶん。

──おそらく、初めての出演になったのは2021年の「Local World x ether」でしょうか。コロナ禍の最中に行われたパーティーで、自分がDJを始める直前に行ったこともあり強烈に記憶に焼き付いています。

¥UK1MAT$U:そう、まだパンデミックも明けてなかったよね。僕はWWWでよくやっていたから、解放くん(melting bot / 解放新平)がasiaに繋いでくれて。その頃、たまたま(パーティーを開催)できる場所だったからかな。

──このときのことって覚えていますか?

¥UK1MAT$U:ごめんなさい、正直あまり(笑)。もう、年間何本やってるかもちょっとわからなくなってきてて。

──では、clubasiaに出演するようになったコロナ以降のなかで、なにか印象に残っている出来事やパーティーなどがあれば。

¥UK1MAT$U:やっぱり周年でしょう。スーさん(clubasia店長・鈴木将)が裸になって、朝まで踊ってた回(笑)。あれは2年前?

──前回か前々回の「Epoch」ですね。あとはスタッフの卒業パーティーで、行松さんが卒業ソングをかけてくれたりもして。

¥UK1MAT$U:ああ、あったね。そのあとRUBY ROOMでやってたアフターパーティーにも行ったよね。

──そうです! あのときはアフターにも来てくれて。そういう催しにも付き合っていただいて嬉しかったです。

¥UK1MAT$U:そうです。まあなんか卒業式だし、せっかくだから。今はちょっと難しいかもしれないけど。

(2023年5月の写真)

──やっぱり活動のスタイルも変わり、今は海外公演もかなり増えましたよね。

¥UK1MAT$U:ちょっと前から増えてるけど、今度ある春のツアーは(2024年の)BOILER ROOM TOKYO前にほぼスケジュールが組まれてて。でも、公開後にオファーがどんどん来てて、週5とかになっちゃって。

──週5公演! まさしくフルタイムDJですね……。

¥UK1MAT$U:ヴェニスでやって、マルタ島でやって、ロンドンでやって、リバプールでやって、マンチェスターでやる、みたいな。土曜は昼夜2公演。それらは去年のBOILER ROOMが終わったあとに増えた感じで、リバプールではFour Tetと一緒にやれることになりました。超楽しみですね。

──海外のベニューでやるときと、それこそasiaのような日本のクラブでやるときは結構フロアの反応や空気感、求められるものも違ってくると思うんですが、どんな違いを感じますか?

¥UK1MAT$U:うーん、どこに出ても、基本的に自分がやることは変わらないかな。とりあえず楽しんでもらうことがまず第一ですから。いつも一生懸命やるだけです。まあでも、海外のほうがすごいクレイジーなことがたまに起きるかな。ボイラールームみたいな形式で囲まれるときはお客さんの身体がこっちに当たるぐらい盛り上がっちゃうこともあって、それは危ないから僕のときは近寄りすぎないようにお願いしてます。

──日本でやっていてそれぐらい熱狂的になったこともあるんでしょうか。

¥UK1MAT$U:まあ、この間のBOILER ROOM TOKYOとかは。流石に危ないから、ちょっとだけ注意した(笑)。

──私見にはなりますが、clubasiaはすごく「日本のクラブ」っぽい空間でもあるのかなと思うんです。パーティーごとに固有の色があってバリエーションもあり、決して海外のゲストのネームバリューだけに依存しない形で公演としても成立してて。asiaのような地域性が強く出ているようなクラブは、海外にもありますか?

¥UK1MAT$U:asiaはasiaっぽいとは思うけど、そんなに海外と比べるところはないかも。でも、asiaみたいに2階があるようなクラブはあんまりないような気がします。このぐらいの広さで、階段があって上り下りするみたいな構造のものは珍しいんじゃないかな。似てはないけど、たとえば上海のSYSTEMっていうクラブはもっと広くて、フロアが2つあるような感じ。やっぱり広さや造りの違いで雰囲気も変わるな、と思いますね。

──国内外で日々たくさんの公演を重ねている行松さんが、「この人とclubasiaで共演できたら面白そうだな」と感じたアーティストは最近いらっしゃいましたか?

¥UK1MAT$U:僕はShhhhhさんとはまだasiaでやってないよね? Shhhhhさんのような人がメインでやってもいいんじゃないかな、とは思います。あの人はすごい。もちろんCOMPUMAさんとか、悪魔の沼とかも。

──COMPUMAさんは平日のclubasiaに出演したりしていました。悪魔の沼との親交は深いんでしょうか。

¥UK1MAT$U:平日ですか。いやあ、あの人(COMPUMA)は週末ですよ。悪魔の沼は、昔僕が大阪にいたときに船上パーティーをやってて、10年ぐらい前かな。そのときDJミキサーのツマミが抜けちゃって、そのまま川に落ちちゃって。けっこう冬に近い時期で、屋根が低くて立ち上がれないぐらい小さな船でやってたからみんな凍えてて、本当に悪魔の沼みたいだったのを強烈に覚えてる(笑)。

──今、まさに石野卓球さんがメインフロアでプレイされています。卓球さんとの共演機会は過去にも何度かありましたか?

¥UK1MAT$U:(卓球さんと共演したのは)たぶん5,6回ぐらいかな。今度「THE BEACH 2025」

(https://thebeach.co.jp/)というフェスでも一緒にやります。

──共演だけでなく、交流の機会もあったりするんでしょうか。

¥UK1MAT$U:うん。この前も「FUJI ROCK FESTIVAL ‘24」で、卓球さんのTシャツがめちゃくちゃ面白くて、アーティスト絡みのネタみたいなやつ。それで盛り上がったり。でも、そんなにすごく親しいわけではないです。もちろん会ったり共演したりするときは話します。

──この後、卓球さんから引き継いでメインフロアのラストを飾りますよね。行松さんの今夜のプレイのポイントは?

¥UK1MAT$U:まあ、卓球さんが何でパスしてくれるか次第かな。最後に卓球さんがリミックスした曲のオリジナル・バージョンをかけようかな、とは思ってます。

──今日着てらっしゃるのはSunn O)))のパーカーにChemical BrothersのTシャツと、まさしく行松さんのプレイスタイルを体現するようなコーディネートです。その日着る服にも「今日はこれかな」みたいなメッセージを込めることはありますか?

¥UK1MAT$U:まあ、持ってたらやるかも(笑)。(Chemical Brothersとは)「THE BEACH 2025」で共演するしね。日にちは違うけど、彼らとは今度Sonarのイスタンブール公演(https://sonaristanbul.com/)でも一緒になります。

──最後に、行松さんから見たclubasiaの印象や、asiaがどんな場所か、というポイントを教えてください。

¥UK1MAT$U:それはやっぱり、スーさんでしょう(笑)。もちろん碧ちゃんも。朝までパーティーで、店員さんが「もっとやれ!」と言ってくれるような空間、人。asiaのそういうところは最高ですよ。やっぱりスタッフが楽しんでないとこっちもやりづらいし。

──そう言っていただけて本当に嬉しいです! 本日はありがとうございました。あと、どうしても最後に一つだけ聞きたくて……行松さんって、普段どんな筋トレをしていますか?

¥UK1MAT$U:今やってるのは、(Instagramのリール動画を見せながら)こういうやつ。全身を使うような感じで、体幹も鍛えられるやつ。ジムとかは行かないから、家で出来るやつをインスタのリール動画とかを参考にやってます。でも、今インスタを開いたら僕ばっかり出てくるんだけど(笑)。


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