BACK TO CHILL × clubasia ──ダブステップシーンを牽引した20年

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Yuta UmeGatani (MURDER CHANNEL)


日本のダブステップ/ベースミュージック・シーンを長年支えてきたパーティーとしてアーティストやDJ、コアなリスナーから幅広い支持と信頼を集めてきたBACK TO CHILLが20周年を迎える。

世界各地のクラブやフェスティバルでプレイを重ね、世代を越えて多くのアーティストに影響を与え続けるGOTH-TRADが主宰するBACK TO CHILL(BTC)は、ダブステップが新たな音楽として形を現し始めていた2006年9月にスタートした。
SALOON、club asia、CONTACT、そして現在のENTERへと拠点を移しながらレギュラー・パーティーを継続し、日本におけるダブステップ/ベースミュージックの浸透とシーンの形成に大きな役割を果たしてきた。

BTCがスタートした2006年はUKでもダブステップが一つのジャンルとして急速に輪郭を現していった時期であった。
GOTH-TRAD自身がUKと日本を行き来する中で現地の変化を直接体感し、そこで鳴らされていた音楽とカルチャーをリアルタイムで持ち帰り、BTCのフロアへと伝えていた。
さらに、サウンドシステムやダブプレートといったカルチャーの根幹を成す要素も重視し、単に新しいサウンドを紹介するだけではなく、その背景にある文化や思想まで含めて伝えてきた。BTCに足を運べば、その時代の世界水準のダブステップとプレイを日本のフロアで体感できる。
BTCはスタート当初から現在まで、そうした体験を継続的に提示してきた貴重な現場であり続けている。

一方で、BTCが鳴らしてきた音楽はダブステップ/ベースミュージックだけにとどまらない。ダブやジャングルといったルーツを共有する音楽から、テクノ、エクスペリメンタル、さらにはポスト・メタルまで異なるバックグラウンドを持つアーティストを柔軟に迎え入れてきた。
しかし、それは単純にジャンルを横断したり、異なる音楽を並列に並べたりするものではない。
ダブステップの文化に深く根差したサウンドシステムを通してそれぞれの音楽を鳴らすことで、異なるジャンルの中に共通する感覚やルーツを見出し、BTCという一つの文脈の中で結びつけてきたのである。

コロナ禍以降、世界のクラブ・シーンではジャンルの境界を越えたキュレーションが広がり、異なる音楽が一つのフロアで交差することも一つの潮流となっている。
しかし、BTCはそれよりはるか以前から異なる音楽をただ混在させるのではなく、ダブステップを中心に据えた明確な思想とサウンドのもと、それぞれの音楽が持つ意味やルーツをつなげることを実践してきた。
ジャンルを越えること自体を目的とするのではなく、そこに必然性を持たせながら20年にわたって続けてきたことが、BTCを独自の存在たらしめている。

そして、そのBTCの20年を語る上で切り離すことのできない場所が渋谷club asiaである。長年にわたってBTCのさまざまな試みを受け入れてきたclub asiaはBTCにとってホームであると同時に、その可能性を大きく広げる舞台となった。
サウンドシステムを用いた音作りへの追求から、ジャンルを越えたアーティストのブッキングまで、そこで積み重ねられてきた実践は東京のクラブ・シーンに新たな価値観や音の鳴らし方を提示してきた。
その歴史を共有する場所へ、20周年という節目を迎えたBTCが再び帰ってくる。

20周年記念パーティーの開催を目前に控え、BTCからGOTH-TRAD、HELKTRAM、MØNDAIGAI、そして元club asiaディレクターのヤマキン氏にBTCとasiaが歩んできた20年と、その先について話を聞いた。

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Q. 2006年9月7日にスタートしたBack To Chill(以後BTC)ですが、20周年を迎えるということで、今どういった心境でしょうか?

GOTH-TRAD: 俺は長く続けたいと思って始めたイベントだから、よく続いたとは思うけど予想はしてたというか。
無理なく長く続けたいというのがずっとあったからね。気づけば自然と20年を迎えていた、という感じかな。

Q. 20周年シリーズの一環としてBTCのBandcampでリリースされているシングルとフライヤーのデザインには、どのようなテーマやコンセプトがあるのでしょうか?

GOTH-TRAD: アイデアとしては、それぞれのEPのアートワークが重なっていって、最終的に一つのデザインになればいいなと思って。
最終形を完全に予測していたわけじゃないけど、なんとなく作り始めて、最終的にフライヤーでは放射線の形になった。
座標みたいな線の延長線上に、それぞれBTCの要素というか、精神性とか姿勢とか、そういう言葉を20個集めたデザインになってそこを終着点にしたんだ。

Q. BTCのメンバーは海外でのプレイやリリースを長年にわたって重ねてきたことから、BTCの存在は海外のダブステップ・ファンにも広く知られていると思います。パーティー、レーベルの両面において、BTCには海外からどのような反応がありますか?

HELKTRAM: 海外でプレイしたときに感じるのは、GOTH-TRADがダブステップ・シーンを長年牽引してきたレジェンドとして認識されていて、「お前、BTCのクルーだよな。毎月あのレジェンドと一緒にプレイできるなんて、めちゃくちゃいい刺激じゃない?」とか、「BTCはメンバーそれぞれが違ったタイプの曲を作っていて面白いね」と言ってくれました。
BTCが20年間続けてきたことで説得力があるからこその反応なんだろうなと思います。

GOTH-TRAD: 俺は海外、特にイギリスに行き始めて、もうすぐ20年くらいになるのかな。その中で感じるのは、世界のダブステップ・シーンにも浮き沈みがあって盛り上がりが少し落ち着いた時期もあれば、その時々でシーンのアイコンとなるようなアーティストが出てきたりもした。
今年はTectonicやDeep Medi Musikが20周年で、BTCも20年。
あの頃から20年経って、今またダブステップに注目が集まっている。
新しいジェネレーションと当時のシーンを担っていたプロデューサーたちが一緒になって、また盛り上がってきていて。
どちらか一方だけが最前線にいるというわけでもなくて、新しいやつらも最前線でやっているし、オールドスクールのやつらも最前線で新しい音を作っている。
そこがすごくいい。20年くらい世代が離れているけど、例えば2006〜2007年のダブステップを子供の頃に聴いて育った子たちが、今プロデューサーとして出てきていて、そこのクロスオーバーがすごく面白いんだよね。
その世代間のクロスオーバーがうまくいっていると思う。
お互いにリスペクトしているし、音楽のテクニカルな部分でも、オールドスクールがオールドスクールにとどまらず新しいことをやっている。
お互いに刺激を与え合って、また盛り上がってきている。

日本でも、20代でダブステップやベースミュージックのパーティーをやっている子たちがいて、それこそつい先日、若い子が始めたベースミュージックのパーティーに呼ばれた。
もちろん、その間には例えばTREKKIE TRAXだったり、DUBNEEZという世代もいて、そこでもクロスオーバーがあった。
日本もシーンは小さいながら、ダブステップというところで見ると世代間のクロスオーバーが生まれて、少しずつ広がりつつあるのかもしれない。

Q. BTCはレーベルとしても活動されていますが、レーベルとしての認識もされてきていると感じますか?

GOTH-TRAD: それはまだ全然できてなくて。正直、自分がそこに力を入れてこなかったというのはある。
2014年に『MUGEN』というコンピレーションを出したところからレーベルとして始まったわけなんだけど、そこから次のリリースまで間が空いていたしね。
自分としてもあまり力を入れられなかった。
時間的な問題もあって、自分の曲を作ってDeep Mediからリリースしたり、ツアーもあったり、ダブステップじゃないものも作っていたし。
そういう意味で、レーベルとしてのスタートダッシュが遅かった。後悔というわけじゃないけど、「ちょっと遅かったな」というのはあって。
ただ、それが良かったのか悪かったのかは、まだ分からない。
自分のリリースにフォーカスしなきゃいけなかった時期もあったから。

HELKTRAMやMØNDAIGAI、City1にしても、海外のレーベルから出すトライも必要だったと思うし、実際にそういう機会もあったから、絶対にやった方がいいと思っていた。
俺がBTCを片手間でやるよりも、ちゃんと見てくれているレーベルが彼等の音源を出してくれる方がいいだろうなと思った。
ただ、レーベルとしてもっとやるべきだったなという部分もあるから、そこはこれからだね。

コロナの時期に、自分のアルバム(『PSIONICS』)や過去作のリイシュー、REBEL FAMILIAのリマスター版、それからアンリリース音源を集めたコンピレーション(『SURVIVAL RESEARCH』『MUTATIONS』)とかをリリースして、それなりに反応があったから、「レーベルとしてもうちょっと確立していかなきゃな」という意識を持ち始めたのは間違いなくて。
ダブステップが盛り上がってきた頃って、ヴァイナルを出して、デジタルも出すというのがスタンダードで、そこには良い意味でも悪い意味でもプレッシャーがあった。
時間やお金、タイミングの問題だったり、いろいろ難しいことを考えすぎて、一歩踏み出せないところがあったんだよね。
そういう中で、コロナの時期に「デジタルで出そう」みたいな流れになって、ヴァイナルにこだわってリリース自体を止めてしまうくらいなら、そこまで考える必要はないなと思うようになった。
実際、デジタルで聴きたい世代はいるし、今の若い世代の子たちと話していると、「ヴァイナルは使わないからデジタルでほしい」「デジタルでDJをして、音源もデジタルで買っています」という人も多い。
音楽を広げることが第一のミッションで、それが一番大事なんだと思った。
ヴァイナルを出すことを枷にしてリリースしないのは、もったいないなって。
コロナのタイミングで自分がデジタルでリリースしたことによって、そこは変わった。
そういう話はヨーロッパのレーベル・オーナーやプロデューサーともよくしていて、もちろん「ヴァイナルは絶対に出したい」というレーベルやアーティストもいる。
「このリリースはデジタルで出す」「これはヴァイナルで出したい」みたいに、作品によって選択しながらリリースするという話もよくする。

GOTH-TRAD Presents Back To Chill “MUGEN” https://backtochilltokyo.bandcamp.com/album/goth-trad-presents-back-to-chill-mugen

Q. レーベル・オーナーであり、プロデューサーでもあるがゆえのプレッシャーがあったんですね。

GOTH-TRAD: SNSで「デジタルでリリースしました」ってアナウンスしたときに、「ヴァイナルは出ないの?」という反応がある。
コロナ中にデジタルのアルバムをバーッと出したときにも、「ヴァイナルも出して」というリクエストが結構あったから、それを聞くと「やっぱりヴァイナルも出した方がいいのかな」と思ったりもする。
でも、時代によっていろんなものが変わっていくわけじゃん。
宣伝の仕方も自分のプロモーションの仕方も、音楽の聴き方も変わってくる。
何に価値を見出すかも変わってくるから、そこに合わせていくことも必要でさ。
懐古主義的というか、昔ながらのやり方にもかっこよさはあるんだけど、そこにハマりすぎてもかっこ悪いし、やっぱり時代に合わせて形を変えていくことが大事だなと思う。

Q. BTCにとってasiaは長年ホームとなってきた場所ですが、asiaで開催するようになったことで、BTCの方向性や可能性はどのように広がっていったのでしょうか?

HELKTRAM: BTCに初めて出演させてもらったのがasiaに移ってからで、上京して初めて遊びに行ったパーティーもasiaでのBTCでした。
そこでGOTH-TRADに自分の曲をCD-Rに焼いて渡したりして今につながっているので、自分にとってはいろんな思い出や経験が詰まった場所ですね。

MØNDAIGAI: 自分もBTCに参加したのはasiaからで、ダブステップを好きになったきっかけもasiaのBTCでした。そこでサウンドシステム・カルチャーを食らって、そこからハマり込んでいったというのがあります。

GOTH-TRAD: 元々は2006年9月にSaloonで始めて、1年ちょいぐらいやったところで、当時asiaのスタッフだったヤマキンが「BTCをasiaでやりませんか?」と誘ってくれて、そこからスタートしたんだ。
asiaの規模になると、それまでより考えられる幅が一気に広がったんだよね。
asiaはライブハウスでもあるから、ライブアクトに対応できる。
REBEL FAMILIAもできるし、バンドも入れられる。
サウンドシステムを追加することもできるし、ワンフロアじゃなくて、セカンドフロアやバーのフロアもあるから、それによって音楽的な振り幅も広げられるようになった。
それまではワンフロアだったから、ダブステップだけにフォーカスせざるを得なかったけど、asiaではもう少しベースミュージックという大きな括りで、バンドを入れたり、いろんな広げ方ができるようになった。
周年パーティーで「サブウーファーを入れてみよう」ということになっても、asiaなら可能だったし、そこからサウンドシステムを作るやつが出てきて、BTCに毎回入れるようになって、何年もかけて大きくしていった。

asiaはBTCの可能性を広げてくれた場所であり、それを許容してくれた場所。
ヤマキンもアイデアを出してくれたり、人をつないでくれたりして、BTCが最初に持っていたコンセプトをさらに広げていくことができた。
2017年の周年パーティーでBorisを呼べたのもasiaだからできたことだし、自分自身の音楽的な幅もそこで広がった。

あとは、メインフロア、セカンドフロア、バーフロアがあるから、まずバーに新しいアーティストを入れてみて、経験を積んでもらうとか。
確かMØNDAIGAIは結構長い間バーでやっていたし、みんな最初はバーから始めていて。HELKTRAMもバーフロアからスタートして、メインフロアへというステップアップがあったり。
経験を積んでもらってどんどん良くなっていったら、「じゃあメインでやってみよう」とか。そういうチャレンジができるようになった。
俺自身もチャレンジできるし、そういう意味でasiaに移ったことでBTCの可能性はすごく広がったと思う。

ヤマキン: GOTH君の一番最初のasiaの出演は何だったか覚えてる?

GOTH-TRAD: TIGHTだよ。1999年くらいだったかな。『土魂』というコンピレーションがリリースされたときにTIGHTに出させてもらって。
その頃は曲しか作ってなくて、まだDJをやったことがなかったけど、サブフロアでDJをさせてもらった。
つい先日もREBEL FAMILIAでTIGHTに出させてもらって、TIGHTは自分にとってもキーだね。
2002年くらいにヤマキンがやっていたイベントにREBEL FAMILIAをブッキングしてくれて、ヤマキンとはそこからの付き合い。


Q. asiaでのBTCは毎回入念にリハーサルを行っていた印象がありますが、自分たちが理想とする音をPAやasiaのスタッフとどのように追求していったのでしょうか?

GOTH-TRAD: 俺がUKに行って、2006〜2007年頃にツアーをしたりして感じたのは、それまで『Mad Raver’s Dance Floor』で作っていた低音の帯域じゃダメだなってことだった。
ダメというか、当時の日本のサウンドシステムやスピーカーだったら「低音が鳴ってるね」という話になるかもしれないけど、本格的にダブステップを作り始めて、低音のキー、周波数が全然違うことに気づいたんだよね。
そこから俺は、もっと低い重低音の帯域で曲を作るようになった。
でも、実際に日本のクラブで鳴らすとその低音が鳴らない。
ところがUKで鳴らすとちゃんと鳴る。
それで「俺は間違ってないな」と確信して、その作り方を続けるようになった。
その違いは周りも気づくようになって、「なんでGOTHの低音はそんなに鳴るの?」みたいに聞かれて、「キーが違うんだよ」って。
全体の重心を下げて作らないと、本場のサウンドシステムでは鳴らないということに俺は気づいていたから。
ただ、当時は日本中どこのクラブに行っても、それをちゃんと鳴らせるところがほとんどなかった。
MALAが初めて日本に来たときにリハーサルでPAと話しているのを聞いていたんだけど、「ローカットどこまで入れてる?」とか、「ちょっとカットが高すぎるから、もっと下まで下ろして」とか、それを聞いて「やっぱりそうなんだな」って。
そこで、音響の構造というか、どうすればあの低音を鳴らせるのかがより分かってきた。
当時は本当に、サウンドシステムやベースミュージックというもの自体が日本ではほとんど広がっていなかった。
どこのクラブも「良い音の箱」と言われていても、重低音をどう鳴らすかというところまでは、それほど意識されていなかった。
そもそも世の中にベースミュージック自体が広がっていなかったから、そこを意識する必要もなかった。
そこから10年くらいかけて、東京のサウンドシステムは良くなっていったと思う。
ただ当時は、ちゃんとチューニングしないと自分たちが求めている低音を出せなかった。

それに合わせてくれたのがasiaだった。asiaにはナオミちゃんというすごいPAがいて、俺たちがやろうとしていることを理解してくれた。
今は、どこのクラブもすごく良くなっている。
ベースミュージックも一つの音楽として定着して、当たり前に鳴るようになったから、それなりにどこの箱も低音の鳴り方まで考えて音響を作っていると思う。
Sound System
https://vimeo.com/126265648?fl=pl&fe=cm

Q. ベース・ミュージックが日本のクラブ・シーンに浸透する以前からBTCをレギュラー開催してきたことで、asia側にはどのような影響を与えたと思いますか? BTCが関わることで、asiaのディープでアンダーグラウンドな側面を引き出した部分もあったのでしょうか?

ヤマキン: おっしゃるとおりだと思います。そういう要素をREBEL FAMILIAやGOTH-TRADにパーティーでやってもらおうというのがあって。
あとはBLACK SMOKERやSHIRO THE GOODMANとか、Jazzy Sportにも協力してもらって。
僕がasiaに入った2001〜2002年頃は、派手な感じのものがメインにあったんです。自分がブッキングを担当するようになって、そういうドープなサウンドもやりたいと思い、みんなに出てもらうようになって、そこから少しずつそういった色が増えていきました。
BTCもasiaとしては一つの挑戦でしたけど、長く続けていく中で影響も出てきて、どんどん盛り上がっていくのを感じましたね。

Q. BTCがasiaで始まった頃、他にはどういったパーティーがあったのでしょうか?

ヤマキン: 同じくらいの時期だと、中田君(中田ヤスタカ)のFLASH!!!が印象的でした。

GOTH-TRAD: asiaの良いところというか、BTCをasiaでやって良かったとすごく思うのは、音はアンダーグラウンドでダーク、ドープなことをやっているんだけど、箱自体はすごく楽しいんだよ。
本当に遊べる箱というか、クラブとしてアンダーグラウンドに閉じていないというか。
サウンドはアンダーグラウンドで超ヘビーなんだけど、箱自体にはすごく楽しいクラブという雰囲気がある。
他にもいろんなパーティーをやっていて、それも良いイメージだったし、本当に「遊べるクラブ」だった。
俺の認識では、もちろんダブステップもアンダーグラウンドという表現にはなるんだけど、それ以上にちゃんと「クラブ」っていう感じなんだよね。

ヤマキン: アンダーグラウンドなことに対して、特別こだわっていたわけではなかったんですけど、そういうアンダーグラウンドなものを「かっこいいな」と感じることはよくありましたね。

GOTH-TRAD: でも、まさにUKやヨーロッパってそうなんだよね。
例えばFabricとか、日によってジャンルは変わるんだけど、お客さんのノリはちゃんとパーティーのノリなんだよ。
asiaにもそういう感じがあって、それができたのはすごく良かった。
ヤマキンからしたら「そこまで行くの?」みたいなこともあったと思うけど。
「せっかくRed Bullとの企画なのにTHE BODYを呼ぶんだ」みたいなね(笑)。

Q. カウントダウン・パーティーのラインナップが、あの頃のasiaを象徴していましたよね。

ヤマキン: そうそう! 中田君、GOTH君、大沢伸一さん、DJ DYE(THA BLUE HERB)が一緒に並んでるんだよね。あとはTHE LOWBROWS(Chaki Zulu)とかも。

GOTH-TRAD: 本当にいろんな出会いがasiaではあった。
Chaki君ともそこで仲良くなって、いろんな音楽の話をしてくれたしね。

ヤマキン: GOTH君もやって、中田君もやって、Chakiもやってという中で、自然とみんな仲良くなっていくんですよ。
だから普通に話すようになるし、その流れで、GOTH君と中田君が一緒に音を作ってくれたらいいなとか、そんなことを俺はちょっと思ってたんです。
面白いものができるだろうなって、いまだに思ってますけど。
そういうこともできるんじゃないかと思いながら、意識はしていました。

Q. これまでasiaで開催してきたBTCの中で、特に印象に残っている回を教えてください。

ヤマキン: GOTH君の『New Epoch』のリリパはね、すごかった。
パーティーの制作からブッキング、内容を決めるところまで、すごく気合いを入れていて。当日を迎えて、お客さんがだんだんフロアに入っていって、GOTH君も最高のプレイだった。制作チームも良かったよね。
今日、写真を撮ってくれている高橋も当時P-VINEのインターンで、そこでGOTH君に興味を持ってくれたり。
Red Bullに入ってもらったときもすごく良かったし、Borisのときもやばかったしね。
BTCに関しては、もういっぱい思い出がある。
メンバー個人に対してもいっぱいあるもん。

HELKTRAM: 毎回、周年パーティーは印象深いです。
自分もプレイしていて楽しいし、周年だからお客さんもすごく楽しそうだし。
あと、サウンドシステムを入れていたときに、リハで音がやばすぎて蛍光灯が落ちてきたこともあった(笑)。

ヤマキン: メインの振動がすごすぎて、2階のトイレの鍵が勝手に開くんですよ。
俺、2階のトイレで用を足してたら勝手に開いて。「えぇ!?」って(笑)。

GOTH-TRAD: たまに俺がサウンドチェックに行けないときに、メンバーに「サウンドチェックやっといて」って頼むんだけど、もうみんなおかしくなっちゃっていて(笑)。
「GOTHさん、今日、音めちゃやばいっす」って言ってるんだけど、俺が聴いたら「お前、これちょっと出しすぎ」「バランスおかしいから、ちょっと抑えろ」みたいなことを言ったりするからね(笑)。
だけど、今のasiaのシステムは当時サウンドシステムを入れていたくらいの音が出るほど良くなったから楽しみ。

Q. BTCレギュラー陣について、それぞれのプロデューサーとしての個性や魅力を聞かせてください。

GOTH-TRAD: それぞれ作る曲にはすごく面白さがあって、特に最近はそれぞれのカラーがちゃんと出始めた。
City1ならオリエンタルな要素を取り入れたダブ、MØNDAIGAIはテッキーな音を得意としている。HELKTRAMはもうちょっとひねりの効いたダブステップを作ろうとしているんだろうなって。
それぞれのテイストがはっきり出始めたなと思う。
どんな音楽を作っても一定以上のクオリティに仕上げられるし、俺もみんなの曲をプレイする。
ただ、これからもうちょっとやっていかなきゃいけないのは、セルフプロデュースだったり、今の時代に合ったプロモーションの仕方だったり、自分をアーティストとしてどう見せていくかという部分。
そういうところがなかなか得意ではないというか、そこがもったいないなというのは正直あるんだけど。
例えば100madoだって、本当にプロデュースのスキルは高いし、古い曲でも良い曲をいっぱい持ってる。
俺はそれを世の中に出さないのはもったいないと思うし、BTCを通して表に出していけたらと思っていて。

これからは音楽のスキルだけじゃなくて、時代に合わせてやり方も変えていかなきゃいけない。
それはダブステップに限らず、自分をどうセルフプロデュースしていくかも考えて、もっと動いていった方がその先のいろんなことにつながっていくと思う。
待っているだけじゃ今の世の中、何も変わらなかったりするから。
そこはもっと考えていった方がいいし、必要ならBTCという場をどんどん活用していってほしいね。

Q. BTCに参加するアーティストを選ぶ際、大切にしている基準はありますか?

GOTH-TRAD: 2006年にBTCを始めたときから、基本的には「オリジナルの曲を1曲も持っていないDJはブッキングしない」というくらいハードコアに始めたから、そのコンセプトは今もあまり変わってない。
あとは、俺だけに評価されてもしょうがないと思っていて。
ちゃんと海外にもアプローチして、そこで評価されて残っているアーティストというか。
「こいつのクオリティなら海外のフェスでプレイしても全然いける」と俺が思えるクオリティの音楽を作っているアーティストがBTCにはいる。
実際、俺が海外でその曲をプレイすると、「これ誰の曲?」って聞かれることも多くて。
そこで「これは誰々だよ、BTCのやつで」って教えると、そこからUKのダブステップのDJやレーベルのやつが本人に直接連絡するから、そういうクオリティのものをみんなは作ってるんだよね。

Q. 現在のメンバーでは、MØNDAIGAIさんが最も新しくBTCに加入したメンバーだと思います。すでに長い歴史と関係性が築かれていたクルーに加わることについて、当時はどのような気持ちでしたか?

MØNDAIGAI: BTCに参加させてもらった中で、曲を作っていなかったのが自分だけだったので、最初はそこに悔しさがあって。
追いつけ追い越せじゃないけど、そういう気持ちでやってましたね。

Q. この2〜3年でSkreamとBengaが再びダブステップをプレイするようになり、Fred again..のツアーにMALAとCokiが参加するなど、初期からシーンを築いてきたアーティストたちの動きが再び活発になっています。
こうした世界的な動向はBTCにも何か影響を与えていますか?
近年のダブステップに対する新たな盛り上がりを、皆さん自身はどのように感じていますか?

HELKTRAM: 刺激という言い方とは少し違うかもしれないけど、何かを続けて、突き詰めていれば、こういう流れが巡ってくることもあるんだなって。
そうなったときに、今度は俺らがお客さんやリスナーが求めているもの以上に、もっとかっこいいものを自分たちの曲やパーティーで示していかなきゃいけない。
そういう感覚はありますね。
昔からダブステップをやってきた人たちは、それぞれにオリジナリティがあって、強い個性を持っていた。
自分もそういう存在になりたいと思っています。

GOTH-TRAD: DEEP MEDiの20周年の一環で、いろんなフェスのステージをテイクオーバーしていて、Outlook Festivalもそうだったし、自分もそのステージに何本か出演してきた。
そういう状況を客観的に見ると、パイオニアだった人たちやレーベルが20周年を迎えて、また表に出てくる機会が増えているように感じる。
でも、実際にそこまで残っている存在って本当に少ないんだよね。
彼らはずっと活動を続けてきたからこそ、レーベルやプロデューサーとして残っている。Pinchも、本人は少し活動を控えていた時期があったけど、若いアーティストをサポートしたりして、レーベルとしての活動を続けている。
そういう長年の活動が、今につながってきているんだと思う。

続けることって、その瞬間だけのことを考えてやっていてもしょうがないというか。
5年後、10年後という先があるからこそ続けられるというか。
だから、常に良い意味でも悪い意味でも自分にプレッシャーをかけながら、新しいものやアーティストを見つけていく。
BTCのパーティーもそうだし、レーベルとしてもそういうことを続けていった先に何かがあるんだろうなと考えている。

Q. 少し前にBTCでプレイしていたManuka Honeyのように特定のジャンルにとらわれず活動している次世代のアーティストにも、ダブステップからの影響が感じられます。
そういった新しい世代からもGOTH-TRADさんはリスペクトを集めていると思います。

GOTH-TRAD: そうだね。意外なアーティストが昔から俺のことを聴いてくれていた、ということが結構あって。
テクノのアーティストにも多いんだよね。
そういうところから「そうなんだ」ってつながることが実際にすごく起きてる。
この間も海外のフェスティバルで、俺の前にライブをやっていたMetristっていう子がいて、そのライブがすげえかっこよかった。
その子も俺のことを昔から聴いてくれていたらしくて、ノイズのアルバムの頃から聴いてるんだって。
ライブもめちゃめちゃかっこよかったし、そこでつながって仲良くなって、「一緒に曲作ろう」みたいな話も生まれた。
そういう世代間の交流が今まさに起こっていて、それによってまた面白くなっていくといいね。

Q. Double Clapperzが「ニート東京」で初めてBTCを訪れたときの衝撃について話されていましたが、日本でもBTCから刺激を受け、その後それぞれのシーンで活躍するようになったプロデューサー/DJも少なくないと思います。

GOTH-TRAD: それはめちゃくちゃ嬉しいことだね。
Double Clapperzもすごく良いプロデューサーだし、素晴らしい活動をしている。
もし、BTCから何か刺激を与えられたのだとしたら、良いことをやってきたんだなと思えるよね。
それはやっぱり、asiaでやっていたからこそ生まれた部分もあるのかもしれない。

DoubleClapperz : "GOTH TRAD" について
https://www.youtube.com/watch?v=i9rOvm7exYo

Q. 海外ではDEEP MEDi MUSIK、Hyperdub、Tempa、Tectonic Recordingsなど、ダブステップの黎明期からシーンを切り拓いてきたレーベルやパーティーが現在までその活動を続けています。
そうしたレーベルやパーティーが長く活動を続けてこられた背景には、どのような姿勢や文化があると思いますか? また、BTCにも共通する部分はありますか?

GOTH-TRAD: MALA、Coki、Kode9と一緒にプレイしたときに思ったのが、彼らのレコードバッグに入っているのはほとんどがダブプレートで、自分の曲だったり、自分のレーベルの曲だったり、仲間の曲だったりする。
それだけでプレイしていて、「これってほぼライブセットじゃん」って思ったんだよね。
俺はそれまで、DJをやるよりも自分の曲だけでライブセットをやることがメインじゃないとオリジナルとは言えないんじゃないか、というくらいの気持ちでやっていた。
でも、そのダブステップのDJスタイルを見て、DJ自体がもうオリジナルなライブみたいなものじゃんって。
それで、DJというスタイルでもそれができるんだと思ったところから、BTCでやろうと思って。
当時、そういう意識を持ってDJをやっている人って本当に少なかった。
日本だったらKRUSHさんやKen Ishiiさんとか、本当に限られた人たちが、そこまで考えてやっていたというか。

それと、定期的にパーティーをやることで、アイデアや情報、スキル、テクニックを交換できるというのもある。
楽屋で集まってみんなで「あのソフト良かったよ」とか、「あのトラックのベースはこれを使っていて」とか、そういう情報を共有することはすごく大事だと思ったから。
UKでは、そういうことをみんなやってるんだよ。
スタジオをシェアしていたり、そこにアーティストが来て、そのまま一緒に曲を作り始めたり。そうやってお互いのスキルを交換できる環境がある。

でも、当時の日本にはそういう環境があまりないと感じていた。
みんなインディペンデントで、それぞれ自分の部屋やベッドルームで曲を作っていたから。だったら、それを現場でもっと活性化させて、プロデューサーが増えていけばいい。
それはBTCで結構できたのかなと思ってる。
20年経った今では、DJがトラックを作ることもかなりスタンダードになっていて、「自分でも作らなきゃ」という意識も広がったと思う。
俺はそれがダブステップに限らず大事なことだと思っていた。
そこもパーティーが持つ大切な役割の一つだと思うんだよね。
MALAもそうだし、Kode9もそうだけど、自分自身が一歩前に進みながら、プロデュースを続けて、新しいことをやっている。
そういう活動があるからこそ、続いてきたんじゃないかなと思う。

Q. 2005年にGOTH-TRADさんと話した際、「ダブステップはテクノやハウスと同じように絶対に定着する」と言っていたことを今でも強烈に覚えています。当時、まだ登場したばかりのダブステップに対して、なぜそこまで強い確信を持つことができたのでしょうか?

GOTH-TRAD: 俺はダブステップのグルーヴ感というか、ハーフテンポのグルーヴにすごく新しさを感じていた。
実際にUKにも行っていたから、現地の熱量も感じていたし、ベースミュージックという部分でも明らかに新しかったんだよね。
俺自身、10代前半からUKレイヴを聴き始めて、2ステップ、ジャングル、ドラムンベース、ガバ、デジタル・ハードコア、ブレイクコア、IDM、エレクトロニカと、いろんな音楽を通過してきた。
2000年代に入って、音楽的に大きな変化を感じられない時期が続いていた中で、グライムが出てきたよね。
グライムが来たときに「おお」って思ったし、その後ダブステップが出てきたときには、それまでとは明らかに違う新しさを感じて、すげえジャンルが生まれたと思った。
だから、いろんなジャンルのやつがダブステップのシーンに入ってきたんだと思う。
実際、BTCだって100madoはノイズをやっていたし、2006年にはすでにテッキーなダブステップもあったからテクノの人たちも気にしていたし、ヒップホップの人たちも注目していた。
そうやって、それまで別々の音楽をやっていた人たちが入ってこられるところにも、すごく可能性を感じたんだよね。
すげえジャンルが生まれたと思ったし、これは間違いないという確信があった。

Q. 長くパーティーを続けてきたことで、フロアに集まるお客さんとの関係性はどのように変化してきましたか?

GOTH-TRAD: それは本当に面白かった部分もあるし、難しかった部分もあって。

BTCは特殊なパーティーなんだよね。
ダブステップを軸にしながら、バンドも普通に入れていたから。俺自身、ヘビーなバンドも好きで、REBEL FAMILIAを通じてバンドの人たちともつながっていた。
そういうバックグラウンドがBTCにも反映されていて、例えばWRENCHの人たちをはじめ、バンドの人たちがダブステップに興味を持ってくれるようになった。
Black GanionとWRENCHのリミックスを頼まれたり、そういうクロスオーバーも起きていたから、本当にいろんな人たちが初期からBTCには集まってくれていた。

20年やっていると世代が変わるんだよね。
多分、4回くらい入れ替わっている。正直、そこはすごく難しい。
さっきも話したように、告知や宣伝の仕方も、今クラブに来る世代にどういうものが見られているのかを常に考えなきゃいけない。
それがパーフェクトにできているかというと、できていないと思う部分もある。
だけど、そこはすごく大事だと思ってるから、新しい世代の面白いアーティストやDJをチェックしながら、そういう要素を取り入れていくことは、ずっと意識してやってきた。

ヤマキン: 最近、現場で頑張っているDJの中にもBTCに来てくれていた人がいて、「asiaのBTCに遊びに行ってました」と話してくれたり、そこからDJを始めた人も結構いるみたいです。
そういう世代が、今回の20周年パーティーの面子にもつながっているんでしょうね。

GOTH-TRAD: でもね、俺はこれまでやってきたことを伝えたいという気持ちもあるんだけど、一番大事なのはやっぱり今だからね。
現在が一番大事だと思うから、そこはみんなプレッシャーを感じながらやらなきゃダメだと思うし、俺自身もプレッシャーを感じながらやってる。
今と未来しかないからさ。

Q. 20周年パーティーにはMeuko! Meuko!、O.N.O.さん、KEIHINさんが出演されます。それぞれの魅力や、今回のBTCで注目してほしい部分を教えてください。

GOTH-TRAD: Meuko! Meuko!は台湾で活動しているアーティストで、俺の音楽も好きでいてくれて、台湾やヨーロッパで会うことも結構あって。
BTCに合うエクスペリメンタルなテイストを持っていると思っていたから、ライブをお願いしたいなと思って、今回出演してもらうことになった。
O.N.O.さんはBTCの19周年パーティーにも出てもらって、めちゃめちゃかっこよかった。BTCのドープな部分とか、そういうところにO.N.O.さんはつながっていると思う。
KEIHIN君も今回アルバムを出して復活して、この間のリリース・パーティーに俺も誘ってもらって、そのときに彼のセットを久しぶりに見たんだけど、すごく良かったから絶対にお願いしたかった。

Q. セカンドフロアやバーフロアは、どのようなコンセプトでラインナップを組んだのでしょうか?

HELKTRAM: セカンドフロアは、BTCの20年間にゆかりのあるメンバーに出演してもらっています。
コンセプトはジャングルとドラムンベースのフロアで、SOIのDXさんとOsam Green Giantさん、Tribal ConnectionのYAHMANさんとJUNGLE ROCKさん、HANGOVERのKEN & SATOSHI、あとはMIDI WARと反核機動隊。
間違いない面子が揃ってくれています。
メインとは違った形で、BTCの20周年という節目を表せているかなと思います。

バーフロアには、昔からBTCに出演しているyuittyやRe+ (YR LAB.)、Ryoichi Ueno (Mek Dem / B-Lines Delight)、MAREAM、BLUEMEW、若いダブステップ・プロデューサーのLowki、Acrocanthosaurusなどが出演します。
若い世代も交えながら、20周年にふさわしいラインナップをBTCのみんなで話し合って決めました。

Q. BTCは今後どのような展開を考えていますか?

GOTH-TRAD: さっきも話したように、これからはレーベルとして定期的にリリースしていきたい。ま
だ表に出ていない曲も多分あるし、メンバーの中にはなかなか自分から能動的に動くタイプじゃないやつもいる。
そういうところは、レーベル側からプランを立てて動かしていくことも必要なのかなと、俺個人としては考えてる。
レーベルをやりながら、パーティーでも新しいことをしていきたい。
この1年くらい、若い世代がやっているパーティーに呼ばれることがちょくちょくあって、それぞれ違うバックグラウンドを持っているから、そういう人たちがBTCでつながってくれたら嬉しい。
そういう場にしていきたいんだよね。俺がUKで感じたような、いろんな人が集まってつながっていくハブというか、ミーティングポイントみたいな場所にしたい。

Q. 最後に、20周年記念パーティーに向けての想いをお聞かせください。

GOTH-TRAD: 今回の周年パーティーをきっかけにBTCの音楽を体感してほしい。
ダブステップだけに限らず、エクスペリメンタルだったり、ジャングルやテクノっぽい要素だったり、そういうものまで感じられるパーティーになっているから、一晩を通して楽しめるはず。
しかも、リアルタイムのダブステップという部分に関しては、俺は自信を持っている。
UKの最前線のダブステップに劣っているとは全然思っていない。
そのサウンドを、リニューアルしたasiaのサウンドシステムで聴いてほしい。
特にまだBTCを体験したことがない人にこそ来てほしいね。

MØNDAIGAI: いろんな人に今回は来てほしいですね。
楽曲にもプレイにも自信を持っているし、絶対に楽しい周年になると思うので、ぜひ来てほしいです。

HELKTRAM: 20周年という節目ではあるけど、単に「20年やったよね」というお祝いだけじゃなくて、5年後、10年後につながるような爆発力のある周年になると思っています。それをフロアでみんなに体感してほしいですね。














日本のダブステップ/ベースミュージック・シーンを長年支えてきたパーティーとしてアーティストやDJ、コアなリスナーから幅広い支持と信頼を集めてきたBACK TO CHILLが20周年を迎える。

世界各地のクラブやフェスティバルでプレイを重ね、世代を越えて多くのアーティストに影響を与え続けるGOTH-TRADが主宰するBACK TO CHILL(BTC)は、ダブステップが新たな音楽として形を現し始めていた2006年9月にスタートした。
SALOON、club asia、CONTACT、そして現在のENTERへと拠点を移しながらレギュラー・パーティーを継続し、日本におけるダブステップ/ベースミュージックの浸透とシーンの形成に大きな役割を果たしてきた。

BTCがスタートした2006年はUKでもダブステップが一つのジャンルとして急速に輪郭を現していった時期であった。
GOTH-TRAD自身がUKと日本を行き来する中で現地の変化を直接体感し、そこで鳴らされていた音楽とカルチャーをリアルタイムで持ち帰り、BTCのフロアへと伝えていた。
さらに、サウンドシステムやダブプレートといったカルチャーの根幹を成す要素も重視し、単に新しいサウンドを紹介するだけではなく、その背景にある文化や思想まで含めて伝えてきた。BTCに足を運べば、その時代の世界水準のダブステップとプレイを日本のフロアで体感できる。
BTCはスタート当初から現在まで、そうした体験を継続的に提示してきた貴重な現場であり続けている。

一方で、BTCが鳴らしてきた音楽はダブステップ/ベースミュージックだけにとどまらない。ダブやジャングルといったルーツを共有する音楽から、テクノ、エクスペリメンタル、さらにはポスト・メタルまで異なるバックグラウンドを持つアーティストを柔軟に迎え入れてきた。
しかし、それは単純にジャンルを横断したり、異なる音楽を並列に並べたりするものではない。
ダブステップの文化に深く根差したサウンドシステムを通してそれぞれの音楽を鳴らすことで、異なるジャンルの中に共通する感覚やルーツを見出し、BTCという一つの文脈の中で結びつけてきたのである。

コロナ禍以降、世界のクラブ・シーンではジャンルの境界を越えたキュレーションが広がり、異なる音楽が一つのフロアで交差することも一つの潮流となっている。
しかし、BTCはそれよりはるか以前から異なる音楽をただ混在させるのではなく、ダブステップを中心に据えた明確な思想とサウンドのもと、それぞれの音楽が持つ意味やルーツをつなげることを実践してきた。
ジャンルを越えること自体を目的とするのではなく、そこに必然性を持たせながら20年にわたって続けてきたことが、BTCを独自の存在たらしめている。

そして、そのBTCの20年を語る上で切り離すことのできない場所が渋谷club asiaである。長年にわたってBTCのさまざまな試みを受け入れてきたclub asiaはBTCにとってホームであると同時に、その可能性を大きく広げる舞台となった。
サウンドシステムを用いた音作りへの追求から、ジャンルを越えたアーティストのブッキングまで、そこで積み重ねられてきた実践は東京のクラブ・シーンに新たな価値観や音の鳴らし方を提示してきた。
その歴史を共有する場所へ、20周年という節目を迎えたBTCが再び帰ってくる。

20周年記念パーティーの開催を目前に控え、BTCからGOTH-TRAD、HELKTRAM、MØNDAIGAI、そして元club asiaディレクターのヤマキン氏にBTCとasiaが歩んできた20年と、その先について話を聞いた。

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Q. 2006年9月7日にスタートしたBack To Chill(以後BTC)ですが、20周年を迎えるということで、今どういった心境でしょうか?

GOTH-TRAD: 俺は長く続けたいと思って始めたイベントだから、よく続いたとは思うけど予想はしてたというか。
無理なく長く続けたいというのがずっとあったからね。気づけば自然と20年を迎えていた、という感じかな。

Q. 20周年シリーズの一環としてBTCのBandcampでリリースされているシングルとフライヤーのデザインには、どのようなテーマやコンセプトがあるのでしょうか?

GOTH-TRAD: アイデアとしては、それぞれのEPのアートワークが重なっていって、最終的に一つのデザインになればいいなと思って。
最終形を完全に予測していたわけじゃないけど、なんとなく作り始めて、最終的にフライヤーでは放射線の形になった。
座標みたいな線の延長線上に、それぞれBTCの要素というか、精神性とか姿勢とか、そういう言葉を20個集めたデザインになってそこを終着点にしたんだ。

Q. BTCのメンバーは海外でのプレイやリリースを長年にわたって重ねてきたことから、BTCの存在は海外のダブステップ・ファンにも広く知られていると思います。パーティー、レーベルの両面において、BTCには海外からどのような反応がありますか?

HELKTRAM: 海外でプレイしたときに感じるのは、GOTH-TRADがダブステップ・シーンを長年牽引してきたレジェンドとして認識されていて、「お前、BTCのクルーだよな。毎月あのレジェンドと一緒にプレイできるなんて、めちゃくちゃいい刺激じゃない?」とか、「BTCはメンバーそれぞれが違ったタイプの曲を作っていて面白いね」と言ってくれました。
BTCが20年間続けてきたことで説得力があるからこその反応なんだろうなと思います。

GOTH-TRAD: 俺は海外、特にイギリスに行き始めて、もうすぐ20年くらいになるのかな。その中で感じるのは、世界のダブステップ・シーンにも浮き沈みがあって盛り上がりが少し落ち着いた時期もあれば、その時々でシーンのアイコンとなるようなアーティストが出てきたりもした。
今年はTectonicやDeep Medi Musikが20周年で、BTCも20年。
あの頃から20年経って、今またダブステップに注目が集まっている。
新しいジェネレーションと当時のシーンを担っていたプロデューサーたちが一緒になって、また盛り上がってきていて。
どちらか一方だけが最前線にいるというわけでもなくて、新しいやつらも最前線でやっているし、オールドスクールのやつらも最前線で新しい音を作っている。
そこがすごくいい。20年くらい世代が離れているけど、例えば2006〜2007年のダブステップを子供の頃に聴いて育った子たちが、今プロデューサーとして出てきていて、そこのクロスオーバーがすごく面白いんだよね。
その世代間のクロスオーバーがうまくいっていると思う。
お互いにリスペクトしているし、音楽のテクニカルな部分でも、オールドスクールがオールドスクールにとどまらず新しいことをやっている。
お互いに刺激を与え合って、また盛り上がってきている。

日本でも、20代でダブステップやベースミュージックのパーティーをやっている子たちがいて、それこそつい先日、若い子が始めたベースミュージックのパーティーに呼ばれた。
もちろん、その間には例えばTREKKIE TRAXだったり、DUBNEEZという世代もいて、そこでもクロスオーバーがあった。
日本もシーンは小さいながら、ダブステップというところで見ると世代間のクロスオーバーが生まれて、少しずつ広がりつつあるのかもしれない。

Q. BTCはレーベルとしても活動されていますが、レーベルとしての認識もされてきていると感じますか?

GOTH-TRAD: それはまだ全然できてなくて。正直、自分がそこに力を入れてこなかったというのはある。
2014年に『MUGEN』というコンピレーションを出したところからレーベルとして始まったわけなんだけど、そこから次のリリースまで間が空いていたしね。
自分としてもあまり力を入れられなかった。
時間的な問題もあって、自分の曲を作ってDeep Mediからリリースしたり、ツアーもあったり、ダブステップじゃないものも作っていたし。
そういう意味で、レーベルとしてのスタートダッシュが遅かった。後悔というわけじゃないけど、「ちょっと遅かったな」というのはあって。
ただ、それが良かったのか悪かったのかは、まだ分からない。
自分のリリースにフォーカスしなきゃいけなかった時期もあったから。

HELKTRAMやMØNDAIGAI、City1にしても、海外のレーベルから出すトライも必要だったと思うし、実際にそういう機会もあったから、絶対にやった方がいいと思っていた。
俺がBTCを片手間でやるよりも、ちゃんと見てくれているレーベルが彼等の音源を出してくれる方がいいだろうなと思った。
ただ、レーベルとしてもっとやるべきだったなという部分もあるから、そこはこれからだね。

コロナの時期に、自分のアルバム(『PSIONICS』)や過去作のリイシュー、REBEL FAMILIAのリマスター版、それからアンリリース音源を集めたコンピレーション(『SURVIVAL RESEARCH』『MUTATIONS』)とかをリリースして、それなりに反応があったから、「レーベルとしてもうちょっと確立していかなきゃな」という意識を持ち始めたのは間違いなくて。
ダブステップが盛り上がってきた頃って、ヴァイナルを出して、デジタルも出すというのがスタンダードで、そこには良い意味でも悪い意味でもプレッシャーがあった。
時間やお金、タイミングの問題だったり、いろいろ難しいことを考えすぎて、一歩踏み出せないところがあったんだよね。
そういう中で、コロナの時期に「デジタルで出そう」みたいな流れになって、ヴァイナルにこだわってリリース自体を止めてしまうくらいなら、そこまで考える必要はないなと思うようになった。
実際、デジタルで聴きたい世代はいるし、今の若い世代の子たちと話していると、「ヴァイナルは使わないからデジタルでほしい」「デジタルでDJをして、音源もデジタルで買っています」という人も多い。
音楽を広げることが第一のミッションで、それが一番大事なんだと思った。
ヴァイナルを出すことを枷にしてリリースしないのは、もったいないなって。
コロナのタイミングで自分がデジタルでリリースしたことによって、そこは変わった。
そういう話はヨーロッパのレーベル・オーナーやプロデューサーともよくしていて、もちろん「ヴァイナルは絶対に出したい」というレーベルやアーティストもいる。
「このリリースはデジタルで出す」「これはヴァイナルで出したい」みたいに、作品によって選択しながらリリースするという話もよくする。

GOTH-TRAD Presents Back To Chill “MUGEN” https://backtochilltokyo.bandcamp.com/album/goth-trad-presents-back-to-chill-mugen

Q. レーベル・オーナーであり、プロデューサーでもあるがゆえのプレッシャーがあったんですね。

GOTH-TRAD: SNSで「デジタルでリリースしました」ってアナウンスしたときに、「ヴァイナルは出ないの?」という反応がある。
コロナ中にデジタルのアルバムをバーッと出したときにも、「ヴァイナルも出して」というリクエストが結構あったから、それを聞くと「やっぱりヴァイナルも出した方がいいのかな」と思ったりもする。
でも、時代によっていろんなものが変わっていくわけじゃん。
宣伝の仕方も自分のプロモーションの仕方も、音楽の聴き方も変わってくる。
何に価値を見出すかも変わってくるから、そこに合わせていくことも必要でさ。
懐古主義的というか、昔ながらのやり方にもかっこよさはあるんだけど、そこにハマりすぎてもかっこ悪いし、やっぱり時代に合わせて形を変えていくことが大事だなと思う。

Q. BTCにとってasiaは長年ホームとなってきた場所ですが、asiaで開催するようになったことで、BTCの方向性や可能性はどのように広がっていったのでしょうか?

HELKTRAM: BTCに初めて出演させてもらったのがasiaに移ってからで、上京して初めて遊びに行ったパーティーもasiaでのBTCでした。
そこでGOTH-TRADに自分の曲をCD-Rに焼いて渡したりして今につながっているので、自分にとってはいろんな思い出や経験が詰まった場所ですね。

MØNDAIGAI: 自分もBTCに参加したのはasiaからで、ダブステップを好きになったきっかけもasiaのBTCでした。そこでサウンドシステム・カルチャーを食らって、そこからハマり込んでいったというのがあります。

GOTH-TRAD: 元々は2006年9月にSaloonで始めて、1年ちょいぐらいやったところで、当時asiaのスタッフだったヤマキンが「BTCをasiaでやりませんか?」と誘ってくれて、そこからスタートしたんだ。
asiaの規模になると、それまでより考えられる幅が一気に広がったんだよね。
asiaはライブハウスでもあるから、ライブアクトに対応できる。
REBEL FAMILIAもできるし、バンドも入れられる。
サウンドシステムを追加することもできるし、ワンフロアじゃなくて、セカンドフロアやバーのフロアもあるから、それによって音楽的な振り幅も広げられるようになった。
それまではワンフロアだったから、ダブステップだけにフォーカスせざるを得なかったけど、asiaではもう少しベースミュージックという大きな括りで、バンドを入れたり、いろんな広げ方ができるようになった。
周年パーティーで「サブウーファーを入れてみよう」ということになっても、asiaなら可能だったし、そこからサウンドシステムを作るやつが出てきて、BTCに毎回入れるようになって、何年もかけて大きくしていった。

asiaはBTCの可能性を広げてくれた場所であり、それを許容してくれた場所。
ヤマキンもアイデアを出してくれたり、人をつないでくれたりして、BTCが最初に持っていたコンセプトをさらに広げていくことができた。
2017年の周年パーティーでBorisを呼べたのもasiaだからできたことだし、自分自身の音楽的な幅もそこで広がった。

あとは、メインフロア、セカンドフロア、バーフロアがあるから、まずバーに新しいアーティストを入れてみて、経験を積んでもらうとか。
確かMØNDAIGAIは結構長い間バーでやっていたし、みんな最初はバーから始めていて。HELKTRAMもバーフロアからスタートして、メインフロアへというステップアップがあったり。
経験を積んでもらってどんどん良くなっていったら、「じゃあメインでやってみよう」とか。そういうチャレンジができるようになった。
俺自身もチャレンジできるし、そういう意味でasiaに移ったことでBTCの可能性はすごく広がったと思う。

ヤマキン: GOTH君の一番最初のasiaの出演は何だったか覚えてる?

GOTH-TRAD: TIGHTだよ。1999年くらいだったかな。『土魂』というコンピレーションがリリースされたときにTIGHTに出させてもらって。
その頃は曲しか作ってなくて、まだDJをやったことがなかったけど、サブフロアでDJをさせてもらった。
つい先日もREBEL FAMILIAでTIGHTに出させてもらって、TIGHTは自分にとってもキーだね。
2002年くらいにヤマキンがやっていたイベントにREBEL FAMILIAをブッキングしてくれて、ヤマキンとはそこからの付き合い。


Q. asiaでのBTCは毎回入念にリハーサルを行っていた印象がありますが、自分たちが理想とする音をPAやasiaのスタッフとどのように追求していったのでしょうか?

GOTH-TRAD: 俺がUKに行って、2006〜2007年頃にツアーをしたりして感じたのは、それまで『Mad Raver’s Dance Floor』で作っていた低音の帯域じゃダメだなってことだった。
ダメというか、当時の日本のサウンドシステムやスピーカーだったら「低音が鳴ってるね」という話になるかもしれないけど、本格的にダブステップを作り始めて、低音のキー、周波数が全然違うことに気づいたんだよね。
そこから俺は、もっと低い重低音の帯域で曲を作るようになった。
でも、実際に日本のクラブで鳴らすとその低音が鳴らない。
ところがUKで鳴らすとちゃんと鳴る。
それで「俺は間違ってないな」と確信して、その作り方を続けるようになった。
その違いは周りも気づくようになって、「なんでGOTHの低音はそんなに鳴るの?」みたいに聞かれて、「キーが違うんだよ」って。
全体の重心を下げて作らないと、本場のサウンドシステムでは鳴らないということに俺は気づいていたから。
ただ、当時は日本中どこのクラブに行っても、それをちゃんと鳴らせるところがほとんどなかった。
MALAが初めて日本に来たときにリハーサルでPAと話しているのを聞いていたんだけど、「ローカットどこまで入れてる?」とか、「ちょっとカットが高すぎるから、もっと下まで下ろして」とか、それを聞いて「やっぱりそうなんだな」って。
そこで、音響の構造というか、どうすればあの低音を鳴らせるのかがより分かってきた。
当時は本当に、サウンドシステムやベースミュージックというもの自体が日本ではほとんど広がっていなかった。
どこのクラブも「良い音の箱」と言われていても、重低音をどう鳴らすかというところまでは、それほど意識されていなかった。
そもそも世の中にベースミュージック自体が広がっていなかったから、そこを意識する必要もなかった。
そこから10年くらいかけて、東京のサウンドシステムは良くなっていったと思う。
ただ当時は、ちゃんとチューニングしないと自分たちが求めている低音を出せなかった。

それに合わせてくれたのがasiaだった。asiaにはナオミちゃんというすごいPAがいて、俺たちがやろうとしていることを理解してくれた。
今は、どこのクラブもすごく良くなっている。
ベースミュージックも一つの音楽として定着して、当たり前に鳴るようになったから、それなりにどこの箱も低音の鳴り方まで考えて音響を作っていると思う。
Sound System
https://vimeo.com/126265648?fl=pl&fe=cm

Q. ベース・ミュージックが日本のクラブ・シーンに浸透する以前からBTCをレギュラー開催してきたことで、asia側にはどのような影響を与えたと思いますか? BTCが関わることで、asiaのディープでアンダーグラウンドな側面を引き出した部分もあったのでしょうか?

ヤマキン: おっしゃるとおりだと思います。そういう要素をREBEL FAMILIAやGOTH-TRADにパーティーでやってもらおうというのがあって。
あとはBLACK SMOKERやSHIRO THE GOODMANとか、Jazzy Sportにも協力してもらって。
僕がasiaに入った2001〜2002年頃は、派手な感じのものがメインにあったんです。自分がブッキングを担当するようになって、そういうドープなサウンドもやりたいと思い、みんなに出てもらうようになって、そこから少しずつそういった色が増えていきました。
BTCもasiaとしては一つの挑戦でしたけど、長く続けていく中で影響も出てきて、どんどん盛り上がっていくのを感じましたね。

Q. BTCがasiaで始まった頃、他にはどういったパーティーがあったのでしょうか?

ヤマキン: 同じくらいの時期だと、中田君(中田ヤスタカ)のFLASH!!!が印象的でした。

GOTH-TRAD: asiaの良いところというか、BTCをasiaでやって良かったとすごく思うのは、音はアンダーグラウンドでダーク、ドープなことをやっているんだけど、箱自体はすごく楽しいんだよ。
本当に遊べる箱というか、クラブとしてアンダーグラウンドに閉じていないというか。
サウンドはアンダーグラウンドで超ヘビーなんだけど、箱自体にはすごく楽しいクラブという雰囲気がある。
他にもいろんなパーティーをやっていて、それも良いイメージだったし、本当に「遊べるクラブ」だった。
俺の認識では、もちろんダブステップもアンダーグラウンドという表現にはなるんだけど、それ以上にちゃんと「クラブ」っていう感じなんだよね。

ヤマキン: アンダーグラウンドなことに対して、特別こだわっていたわけではなかったんですけど、そういうアンダーグラウンドなものを「かっこいいな」と感じることはよくありましたね。

GOTH-TRAD: でも、まさにUKやヨーロッパってそうなんだよね。
例えばFabricとか、日によってジャンルは変わるんだけど、お客さんのノリはちゃんとパーティーのノリなんだよ。
asiaにもそういう感じがあって、それができたのはすごく良かった。
ヤマキンからしたら「そこまで行くの?」みたいなこともあったと思うけど。
「せっかくRed Bullとの企画なのにTHE BODYを呼ぶんだ」みたいなね(笑)。

Q. カウントダウン・パーティーのラインナップが、あの頃のasiaを象徴していましたよね。

ヤマキン: そうそう! 中田君、GOTH君、大沢伸一さん、DJ DYE(THA BLUE HERB)が一緒に並んでるんだよね。あとはTHE LOWBROWS(Chaki Zulu)とかも。

GOTH-TRAD: 本当にいろんな出会いがasiaではあった。
Chaki君ともそこで仲良くなって、いろんな音楽の話をしてくれたしね。

ヤマキン: GOTH君もやって、中田君もやって、Chakiもやってという中で、自然とみんな仲良くなっていくんですよ。
だから普通に話すようになるし、その流れで、GOTH君と中田君が一緒に音を作ってくれたらいいなとか、そんなことを俺はちょっと思ってたんです。
面白いものができるだろうなって、いまだに思ってますけど。
そういうこともできるんじゃないかと思いながら、意識はしていました。

Q. これまでasiaで開催してきたBTCの中で、特に印象に残っている回を教えてください。

ヤマキン: GOTH君の『New Epoch』のリリパはね、すごかった。
パーティーの制作からブッキング、内容を決めるところまで、すごく気合いを入れていて。当日を迎えて、お客さんがだんだんフロアに入っていって、GOTH君も最高のプレイだった。制作チームも良かったよね。
今日、写真を撮ってくれている高橋も当時P-VINEのインターンで、そこでGOTH君に興味を持ってくれたり。
Red Bullに入ってもらったときもすごく良かったし、Borisのときもやばかったしね。
BTCに関しては、もういっぱい思い出がある。
メンバー個人に対してもいっぱいあるもん。

HELKTRAM: 毎回、周年パーティーは印象深いです。
自分もプレイしていて楽しいし、周年だからお客さんもすごく楽しそうだし。
あと、サウンドシステムを入れていたときに、リハで音がやばすぎて蛍光灯が落ちてきたこともあった(笑)。

ヤマキン: メインの振動がすごすぎて、2階のトイレの鍵が勝手に開くんですよ。
俺、2階のトイレで用を足してたら勝手に開いて。「えぇ!?」って(笑)。

GOTH-TRAD: たまに俺がサウンドチェックに行けないときに、メンバーに「サウンドチェックやっといて」って頼むんだけど、もうみんなおかしくなっちゃっていて(笑)。
「GOTHさん、今日、音めちゃやばいっす」って言ってるんだけど、俺が聴いたら「お前、これちょっと出しすぎ」「バランスおかしいから、ちょっと抑えろ」みたいなことを言ったりするからね(笑)。
だけど、今のasiaのシステムは当時サウンドシステムを入れていたくらいの音が出るほど良くなったから楽しみ。

Q. BTCレギュラー陣について、それぞれのプロデューサーとしての個性や魅力を聞かせてください。

GOTH-TRAD: それぞれ作る曲にはすごく面白さがあって、特に最近はそれぞれのカラーがちゃんと出始めた。
City1ならオリエンタルな要素を取り入れたダブ、MØNDAIGAIはテッキーな音を得意としている。HELKTRAMはもうちょっとひねりの効いたダブステップを作ろうとしているんだろうなって。
それぞれのテイストがはっきり出始めたなと思う。
どんな音楽を作っても一定以上のクオリティに仕上げられるし、俺もみんなの曲をプレイする。
ただ、これからもうちょっとやっていかなきゃいけないのは、セルフプロデュースだったり、今の時代に合ったプロモーションの仕方だったり、自分をアーティストとしてどう見せていくかという部分。
そういうところがなかなか得意ではないというか、そこがもったいないなというのは正直あるんだけど。
例えば100madoだって、本当にプロデュースのスキルは高いし、古い曲でも良い曲をいっぱい持ってる。
俺はそれを世の中に出さないのはもったいないと思うし、BTCを通して表に出していけたらと思っていて。

これからは音楽のスキルだけじゃなくて、時代に合わせてやり方も変えていかなきゃいけない。
それはダブステップに限らず、自分をどうセルフプロデュースしていくかも考えて、もっと動いていった方がその先のいろんなことにつながっていくと思う。
待っているだけじゃ今の世の中、何も変わらなかったりするから。
そこはもっと考えていった方がいいし、必要ならBTCという場をどんどん活用していってほしいね。

Q. BTCに参加するアーティストを選ぶ際、大切にしている基準はありますか?

GOTH-TRAD: 2006年にBTCを始めたときから、基本的には「オリジナルの曲を1曲も持っていないDJはブッキングしない」というくらいハードコアに始めたから、そのコンセプトは今もあまり変わってない。
あとは、俺だけに評価されてもしょうがないと思っていて。
ちゃんと海外にもアプローチして、そこで評価されて残っているアーティストというか。
「こいつのクオリティなら海外のフェスでプレイしても全然いける」と俺が思えるクオリティの音楽を作っているアーティストがBTCにはいる。
実際、俺が海外でその曲をプレイすると、「これ誰の曲?」って聞かれることも多くて。
そこで「これは誰々だよ、BTCのやつで」って教えると、そこからUKのダブステップのDJやレーベルのやつが本人に直接連絡するから、そういうクオリティのものをみんなは作ってるんだよね。

Q. 現在のメンバーでは、MØNDAIGAIさんが最も新しくBTCに加入したメンバーだと思います。すでに長い歴史と関係性が築かれていたクルーに加わることについて、当時はどのような気持ちでしたか?

MØNDAIGAI: BTCに参加させてもらった中で、曲を作っていなかったのが自分だけだったので、最初はそこに悔しさがあって。
追いつけ追い越せじゃないけど、そういう気持ちでやってましたね。

Q. この2〜3年でSkreamとBengaが再びダブステップをプレイするようになり、Fred again..のツアーにMALAとCokiが参加するなど、初期からシーンを築いてきたアーティストたちの動きが再び活発になっています。
こうした世界的な動向はBTCにも何か影響を与えていますか?
近年のダブステップに対する新たな盛り上がりを、皆さん自身はどのように感じていますか?

HELKTRAM: 刺激という言い方とは少し違うかもしれないけど、何かを続けて、突き詰めていれば、こういう流れが巡ってくることもあるんだなって。
そうなったときに、今度は俺らがお客さんやリスナーが求めているもの以上に、もっとかっこいいものを自分たちの曲やパーティーで示していかなきゃいけない。
そういう感覚はありますね。
昔からダブステップをやってきた人たちは、それぞれにオリジナリティがあって、強い個性を持っていた。
自分もそういう存在になりたいと思っています。

GOTH-TRAD: DEEP MEDiの20周年の一環で、いろんなフェスのステージをテイクオーバーしていて、Outlook Festivalもそうだったし、自分もそのステージに何本か出演してきた。
そういう状況を客観的に見ると、パイオニアだった人たちやレーベルが20周年を迎えて、また表に出てくる機会が増えているように感じる。
でも、実際にそこまで残っている存在って本当に少ないんだよね。
彼らはずっと活動を続けてきたからこそ、レーベルやプロデューサーとして残っている。Pinchも、本人は少し活動を控えていた時期があったけど、若いアーティストをサポートしたりして、レーベルとしての活動を続けている。
そういう長年の活動が、今につながってきているんだと思う。

続けることって、その瞬間だけのことを考えてやっていてもしょうがないというか。
5年後、10年後という先があるからこそ続けられるというか。
だから、常に良い意味でも悪い意味でも自分にプレッシャーをかけながら、新しいものやアーティストを見つけていく。
BTCのパーティーもそうだし、レーベルとしてもそういうことを続けていった先に何かがあるんだろうなと考えている。

Q. 少し前にBTCでプレイしていたManuka Honeyのように特定のジャンルにとらわれず活動している次世代のアーティストにも、ダブステップからの影響が感じられます。
そういった新しい世代からもGOTH-TRADさんはリスペクトを集めていると思います。

GOTH-TRAD: そうだね。意外なアーティストが昔から俺のことを聴いてくれていた、ということが結構あって。
テクノのアーティストにも多いんだよね。
そういうところから「そうなんだ」ってつながることが実際にすごく起きてる。
この間も海外のフェスティバルで、俺の前にライブをやっていたMetristっていう子がいて、そのライブがすげえかっこよかった。
その子も俺のことを昔から聴いてくれていたらしくて、ノイズのアルバムの頃から聴いてるんだって。
ライブもめちゃめちゃかっこよかったし、そこでつながって仲良くなって、「一緒に曲作ろう」みたいな話も生まれた。
そういう世代間の交流が今まさに起こっていて、それによってまた面白くなっていくといいね。

Q. Double Clapperzが「ニート東京」で初めてBTCを訪れたときの衝撃について話されていましたが、日本でもBTCから刺激を受け、その後それぞれのシーンで活躍するようになったプロデューサー/DJも少なくないと思います。

GOTH-TRAD: それはめちゃくちゃ嬉しいことだね。
Double Clapperzもすごく良いプロデューサーだし、素晴らしい活動をしている。
もし、BTCから何か刺激を与えられたのだとしたら、良いことをやってきたんだなと思えるよね。
それはやっぱり、asiaでやっていたからこそ生まれた部分もあるのかもしれない。

DoubleClapperz : "GOTH TRAD" について
https://www.youtube.com/watch?v=i9rOvm7exYo

Q. 海外ではDEEP MEDi MUSIK、Hyperdub、Tempa、Tectonic Recordingsなど、ダブステップの黎明期からシーンを切り拓いてきたレーベルやパーティーが現在までその活動を続けています。
そうしたレーベルやパーティーが長く活動を続けてこられた背景には、どのような姿勢や文化があると思いますか? また、BTCにも共通する部分はありますか?

GOTH-TRAD: MALA、Coki、Kode9と一緒にプレイしたときに思ったのが、彼らのレコードバッグに入っているのはほとんどがダブプレートで、自分の曲だったり、自分のレーベルの曲だったり、仲間の曲だったりする。
それだけでプレイしていて、「これってほぼライブセットじゃん」って思ったんだよね。
俺はそれまで、DJをやるよりも自分の曲だけでライブセットをやることがメインじゃないとオリジナルとは言えないんじゃないか、というくらいの気持ちでやっていた。
でも、そのダブステップのDJスタイルを見て、DJ自体がもうオリジナルなライブみたいなものじゃんって。
それで、DJというスタイルでもそれができるんだと思ったところから、BTCでやろうと思って。
当時、そういう意識を持ってDJをやっている人って本当に少なかった。
日本だったらKRUSHさんやKen Ishiiさんとか、本当に限られた人たちが、そこまで考えてやっていたというか。

それと、定期的にパーティーをやることで、アイデアや情報、スキル、テクニックを交換できるというのもある。
楽屋で集まってみんなで「あのソフト良かったよ」とか、「あのトラックのベースはこれを使っていて」とか、そういう情報を共有することはすごく大事だと思ったから。
UKでは、そういうことをみんなやってるんだよ。
スタジオをシェアしていたり、そこにアーティストが来て、そのまま一緒に曲を作り始めたり。そうやってお互いのスキルを交換できる環境がある。

でも、当時の日本にはそういう環境があまりないと感じていた。
みんなインディペンデントで、それぞれ自分の部屋やベッドルームで曲を作っていたから。だったら、それを現場でもっと活性化させて、プロデューサーが増えていけばいい。
それはBTCで結構できたのかなと思ってる。
20年経った今では、DJがトラックを作ることもかなりスタンダードになっていて、「自分でも作らなきゃ」という意識も広がったと思う。
俺はそれがダブステップに限らず大事なことだと思っていた。
そこもパーティーが持つ大切な役割の一つだと思うんだよね。
MALAもそうだし、Kode9もそうだけど、自分自身が一歩前に進みながら、プロデュースを続けて、新しいことをやっている。
そういう活動があるからこそ、続いてきたんじゃないかなと思う。

Q. 2005年にGOTH-TRADさんと話した際、「ダブステップはテクノやハウスと同じように絶対に定着する」と言っていたことを今でも強烈に覚えています。当時、まだ登場したばかりのダブステップに対して、なぜそこまで強い確信を持つことができたのでしょうか?

GOTH-TRAD: 俺はダブステップのグルーヴ感というか、ハーフテンポのグルーヴにすごく新しさを感じていた。
実際にUKにも行っていたから、現地の熱量も感じていたし、ベースミュージックという部分でも明らかに新しかったんだよね。
俺自身、10代前半からUKレイヴを聴き始めて、2ステップ、ジャングル、ドラムンベース、ガバ、デジタル・ハードコア、ブレイクコア、IDM、エレクトロニカと、いろんな音楽を通過してきた。
2000年代に入って、音楽的に大きな変化を感じられない時期が続いていた中で、グライムが出てきたよね。
グライムが来たときに「おお」って思ったし、その後ダブステップが出てきたときには、それまでとは明らかに違う新しさを感じて、すげえジャンルが生まれたと思った。
だから、いろんなジャンルのやつがダブステップのシーンに入ってきたんだと思う。
実際、BTCだって100madoはノイズをやっていたし、2006年にはすでにテッキーなダブステップもあったからテクノの人たちも気にしていたし、ヒップホップの人たちも注目していた。
そうやって、それまで別々の音楽をやっていた人たちが入ってこられるところにも、すごく可能性を感じたんだよね。
すげえジャンルが生まれたと思ったし、これは間違いないという確信があった。

Q. 長くパーティーを続けてきたことで、フロアに集まるお客さんとの関係性はどのように変化してきましたか?

GOTH-TRAD: それは本当に面白かった部分もあるし、難しかった部分もあって。

BTCは特殊なパーティーなんだよね。
ダブステップを軸にしながら、バンドも普通に入れていたから。俺自身、ヘビーなバンドも好きで、REBEL FAMILIAを通じてバンドの人たちともつながっていた。
そういうバックグラウンドがBTCにも反映されていて、例えばWRENCHの人たちをはじめ、バンドの人たちがダブステップに興味を持ってくれるようになった。
Black GanionとWRENCHのリミックスを頼まれたり、そういうクロスオーバーも起きていたから、本当にいろんな人たちが初期からBTCには集まってくれていた。

20年やっていると世代が変わるんだよね。
多分、4回くらい入れ替わっている。正直、そこはすごく難しい。
さっきも話したように、告知や宣伝の仕方も、今クラブに来る世代にどういうものが見られているのかを常に考えなきゃいけない。
それがパーフェクトにできているかというと、できていないと思う部分もある。
だけど、そこはすごく大事だと思ってるから、新しい世代の面白いアーティストやDJをチェックしながら、そういう要素を取り入れていくことは、ずっと意識してやってきた。

ヤマキン: 最近、現場で頑張っているDJの中にもBTCに来てくれていた人がいて、「asiaのBTCに遊びに行ってました」と話してくれたり、そこからDJを始めた人も結構いるみたいです。
そういう世代が、今回の20周年パーティーの面子にもつながっているんでしょうね。

GOTH-TRAD: でもね、俺はこれまでやってきたことを伝えたいという気持ちもあるんだけど、一番大事なのはやっぱり今だからね。
現在が一番大事だと思うから、そこはみんなプレッシャーを感じながらやらなきゃダメだと思うし、俺自身もプレッシャーを感じながらやってる。
今と未来しかないからさ。

Q. 20周年パーティーにはMeuko! Meuko!、O.N.O.さん、KEIHINさんが出演されます。それぞれの魅力や、今回のBTCで注目してほしい部分を教えてください。

GOTH-TRAD: Meuko! Meuko!は台湾で活動しているアーティストで、俺の音楽も好きでいてくれて、台湾やヨーロッパで会うことも結構あって。
BTCに合うエクスペリメンタルなテイストを持っていると思っていたから、ライブをお願いしたいなと思って、今回出演してもらうことになった。
O.N.O.さんはBTCの19周年パーティーにも出てもらって、めちゃめちゃかっこよかった。BTCのドープな部分とか、そういうところにO.N.O.さんはつながっていると思う。
KEIHIN君も今回アルバムを出して復活して、この間のリリース・パーティーに俺も誘ってもらって、そのときに彼のセットを久しぶりに見たんだけど、すごく良かったから絶対にお願いしたかった。

Q. セカンドフロアやバーフロアは、どのようなコンセプトでラインナップを組んだのでしょうか?

HELKTRAM: セカンドフロアは、BTCの20年間にゆかりのあるメンバーに出演してもらっています。
コンセプトはジャングルとドラムンベースのフロアで、SOIのDXさんとOsam Green Giantさん、Tribal ConnectionのYAHMANさんとJUNGLE ROCKさん、HANGOVERのKEN & SATOSHI、あとはMIDI WARと反核機動隊。
間違いない面子が揃ってくれています。
メインとは違った形で、BTCの20周年という節目を表せているかなと思います。

バーフロアには、昔からBTCに出演しているyuittyやRe+ (YR LAB.)、Ryoichi Ueno (Mek Dem / B-Lines Delight)、MAREAM、BLUEMEW、若いダブステップ・プロデューサーのLowki、Acrocanthosaurusなどが出演します。
若い世代も交えながら、20周年にふさわしいラインナップをBTCのみんなで話し合って決めました。

Q. BTCは今後どのような展開を考えていますか?

GOTH-TRAD: さっきも話したように、これからはレーベルとして定期的にリリースしていきたい。ま
だ表に出ていない曲も多分あるし、メンバーの中にはなかなか自分から能動的に動くタイプじゃないやつもいる。
そういうところは、レーベル側からプランを立てて動かしていくことも必要なのかなと、俺個人としては考えてる。
レーベルをやりながら、パーティーでも新しいことをしていきたい。
この1年くらい、若い世代がやっているパーティーに呼ばれることがちょくちょくあって、それぞれ違うバックグラウンドを持っているから、そういう人たちがBTCでつながってくれたら嬉しい。
そういう場にしていきたいんだよね。俺がUKで感じたような、いろんな人が集まってつながっていくハブというか、ミーティングポイントみたいな場所にしたい。

Q. 最後に、20周年記念パーティーに向けての想いをお聞かせください。

GOTH-TRAD: 今回の周年パーティーをきっかけにBTCの音楽を体感してほしい。
ダブステップだけに限らず、エクスペリメンタルだったり、ジャングルやテクノっぽい要素だったり、そういうものまで感じられるパーティーになっているから、一晩を通して楽しめるはず。
しかも、リアルタイムのダブステップという部分に関しては、俺は自信を持っている。
UKの最前線のダブステップに劣っているとは全然思っていない。
そのサウンドを、リニューアルしたasiaのサウンドシステムで聴いてほしい。
特にまだBTCを体験したことがない人にこそ来てほしいね。

MØNDAIGAI: いろんな人に今回は来てほしいですね。
楽曲にもプレイにも自信を持っているし、絶対に楽しい周年になると思うので、ぜひ来てほしいです。

HELKTRAM: 20周年という節目ではあるけど、単に「20年やったよね」というお祝いだけじゃなくて、5年後、10年後につながるような爆発力のある周年になると思っています。それをフロアでみんなに体感してほしいですね。













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